簿記3級で出てくる用語を解説します。
為替手形とは、基本的に登場人物が3名出てくる手形です。
手形を振り出す人。
手形に書かれている金額を支払う人。
手形に書かれている金額をもらう人。
の3名です。
A社が得意先のB社からまだもらっていないお金(売掛金)が50,000円あるとします。
そして、A社の仕入先C社にまだ払っていないお金(買掛金)50,000円があるとします。
A社は今、C社に払うお金がなかったとして、
B社に対する売掛金とC社に対する買掛金を(※)相殺するため、
為替手形を作成して、B社に持っていきます。
B社に対して、
「私に対する掛代金を私でなく、C社に払ってもらえませんか?
それを引き受けてくれるのであれば、この為替手形にサインをしてください。」
とお願します。
B社がこの依頼を受け入れて、為替手形にサインをすると、
この為替手形の効力が発生します。
その後、A社はC社に対して、
「お宅に対する掛代金は、私の代わりにB社が払うことになったのでよろしくお願いします。」
と言って、この手形をC社に渡します。
これで、A社はB社の売掛金とC社の買掛金を相殺することができました。
A社(手形の振出人)の仕訳は、
借)買掛金 50,000 貸) 売掛金 50,000
となります。
B社はA社から手形代金の支払いをもとめられ、サインをしたことで、
手形に書かれた金額を支払う義務が生じます。
つまり、支払手形が増加します。同時にA社に買掛金を払わないでいいことになります。
B社(支払人)の仕訳は、
借) 買掛金 50,000 貸) 支払手形 50,000
C社はA社からB社が支払う旨の為替手形を受け取ることで、
手形に書かれている金額をもらう権利を得ます。つまり、受取利息が増加します。
同時にA社からもらう予定であった売掛金が減少します。
C社(受取人)の仕訳は、
借)受取手形 50,000 貸) 売掛金 50,000
となります。
上記のように、三角形の図を書くことで理解を深めることができます。
その際、下に振出人、右上に支払人、左上に受取人を書くようにします
※相殺とは、同時に打ち消してないことにしてしまうこと。
為替手形は3者間に信頼関係があるのが前提です。
知らない会社がお金を払うといっても相手側が困ってしまうはずです。
なので、実務の上ではあまり用いられることはないようですが、
簿記の試験では頻繁に出題されます。
初めて見る言葉は「難しい。」と感じると思いますが、
この言葉を使った問題を一つ解いただけで、「よくわかってる言葉」になります。
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